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番外編 塩対応の橘さんに龍成さん出鼻をくじかれる
「未知おはよう」
すっと襖が開いて龍成さんが顔を出した。
「おはようございます。龍成さんお帰りなさい」
「ただいま」
キョロキョロと辺りを見回した。
「龍成さんどうしました?」
「どこか隠れるところないかなって。兄貴を驚かせてやるんだ。橘のびっくりした顔を拝めると楽しみにしてきたのに。全然驚かないんだ。がっかりだ。紗智と那和は予想通りいいリアクションをしてくれたのに、何で橘はあぁも冷たいんだ」
「橘さんほど優しいひとはいません」
「どこが優しいんだ」
ただいま。彼の声が聞こえてきて。
「やべ」
龍成さんが慌てて潜り込んだのは寝ている陽葵の隣だった。
「ちょっと場所借りるな」
頭まで布団を被った。
足が出ているからバレバレだと思うんだけどな。
笑わずどうやってやり過ごそうかと思っていたら、
「龍成が隠れたってことは、俺も隠れないとまずいよね」
七海さんも毛布を頭から被り物陰に隠れた。
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