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番外編 菱沼組は今日も平和なり

「陽葵、行ってくるね。ままたんと大きいお兄ちゃんたちとお留守番頼むね」 おっぱいを飲ませ、寝かし付けてから、急いで出掛ける用意をした。 給食試食会は来月。 五年生の宿泊学習に合わせて行うと、一太が学校からプリントを持ち帰ってきた。 来週からは水泳の授業もはじまるし、いろいろと準備が大変だ。 「一太くんと奏音くんとめぐみちゃんと優輝くん。四人揃って、顔を水に付けることが出来ないようです。水への苦手意識をもっているみたいですね」 「スイミング教室に通わせればいいんですけど……」 「柚原さんが今度四人をプールに連れていくと話していましたよ」 何かを思い出したみたいで、橘さんがぷぷっと急に笑いだした。 「青空さん、川や海で泳いでいたみたいで、底の見えるプールは怖くて泳げないそうですよ」 「そんなこともあるんですね」 やけに静かな隣の部屋を覗くと、太惺と心望 が七海さんにしがみついてお昼寝をしていた。 「七海さん、太惺と心望をお願いします」 二人を起こさないように小声で話し掛けると、 「たいくんとここちゃんのことは任せて。未知のほうこそ気を付けて」 七海さんが笑顔で返してくれた。

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