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番外編 緊急事態発生!

カルチャーパーク近くの田んぼに熱気球が墜落し、炎上したときのことが脳裏を過った。あたり一面田んぼしかないから人的被害もなく、大惨事になることを免れた。でも今は状況がまったく違う。 「ヤスさん、あのヘリコプター、やっぱりこっちに向かっている」 「サツに車を停められるまで拍子抜けするくらいスムーズだったから、逆に怖い。嫌な予感がするって、ハチが連絡を寄越したんだ。だから、寺に急行した」 「柚原なら一発で仕留められる」 青空さんがぼそりと呟いた。 「ヘリコプターをか?」 「ぱぱたんは最強の男だろう」 「そうだな。青空の言う通りだ。万が一、小学校や住宅街にヘリコプターが墜落したらどうするんだ?職務質問している場合じゃないだろう」 「白い機体。真ん中に黒い線。何か書いているぞ」 「そうか?ここからはそこまでは見えないぞ。青空は、目がいいな」 ヤスさんが緊急事態発生!と文字を打ち、彼と龍成さんに急いでメールを送信した。

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