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番外編 緊急事態発生!

バラバラバラ……。 威嚇するかのように小学校の校庭の上を低空飛行で二度、三度旋回すると、何事もなかったように西の方角に飛び去っていった。 「未知、大丈夫か?」 助手席のドアが開いて彼が姿を見せた。 「うん。ヤスさんと青空さんが一緒だったから、一人じゃなかったから」 「そうか。きみが無事で本当に良かった」 ほっとし胸を撫で下ろす彼。 目元が潤んでいた。 やがてパトカーのサイレンの音があちこちから聞こえてくると、彼は怪訝そうに眉間に皺を寄せた。 「一太が待ってる。おいで未知」 彼が両手を広げた。 「オヤジ、俺が先に下りないと駄目だろう」 青空さんがひょいと飛び下りた。 「蝿より五月蝿い連中だ。邪魔ばっかしている」 「怒っても仕方がない。喧嘩するだけ無駄だ。未知、何を今さら恥ずかしがっているんだ。早く来い」 「だって……」 キョロキョロとあたりを見回した。 彼の言う通りだ。恥ずかしがっている場合じゃない。 笑顔でにっこりと微笑む彼の胸元に意を決し、飛び込むと、しっかりと両手で受け止めてくれた。

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