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番外編緊急事態発生!
彼と一緒に一年二組の教室に急いで向かうと子供たちは黄色い帽子を被り、帰る準備をしていた。
この小学校を名指しし、十四時ちょうどにヘリコプターから毒物を撒く。これは脅しではない。という内容のファックスが十分前に教育委員会に送りつけられたと担任の先生が教えてくれた。
児童と保護者の安全を最優先に考えて授業参観は中止、一斉下校になったみたいだった。
爆破予告もあったばかりだし、物騒な世の中になったものだ。彼は険しい表情を崩さなかった。
「あれ?なんでママ?」
何も知らされていなかった一太。
ランドセルを背負いポカーンとしていた。
「ごめんね、驚かせて。ママ、もっと早く来れば勉強を頑張っている一太の姿を見ることが出来たのに」
「だいじょうぶ。きてくれただけでうれしい」
「怖かったでしょう」
「ううん」
一太が首を横に振った。
「写真撮影は禁止です。プリントにも書いてあったはずですよ」
担任の先生が廊下からこちらに向かってスマホを向ける保護者に気付き注意すると、不満げな表情を浮かべ鼻で笑うと足早に立ち去った。
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