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番外編 思わぬサプライズ
「パパ、りゅうさんいるよ。なんで?」
思わぬサプライズに一太が驚き、
「一太くんのママがいる!」
奏音くんも驚いていた。
「授業参観は、親にとっては一大イベントだ。子どもの成長を見れる絶好のチャンスだし、学校での様子も見ることが出来る。奏音、龍パパに思いっきり甘えろ。遠慮することはないぞ」
「うん」
奏音くんはにっこりと笑うと龍成さんの上着をぎゅっと掴んだ。
「一太くんパパ、あのね、かなたね、りゅうパパといっしょに大玉ころがしをしたんだ」
「そうか、良かったな」
「りゅうパパね、すごく、かっこよかったんだよ」
「私とゆうきとも大玉ころがをししたんだよ」
「りゅうおじさんのかっこいいところ、もっと見たかったな」
「そうか?嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか」
照れて真っ赤になる龍成さん。
「若井に捕まる前に、そろそろ移動するか。青空、ヘリコプターが戻ってくるかも知れない。異変を感じたらすぐに知らせてくれ」
雲一つない空を見上げていた青空さんに声を掛ける彼。
各々ランドセルを背負い、靴を履き替えて。
一太は彼と手を繋ぎ、奏音くんと優輝くんは龍成さんと手を繋いだ。
「みちさんは私がまもるね」
「ありがとうめぐみちゃん」
なんとも頼もしい一言が心強い。
めぐみちゃんが僕の手をそっと握ってくれた。
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