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番外編 青空さん、初めてのかき氷
「めぐみちゃん、ありがとう」
「みちさんは何もわるいことをしてないのに。ほんと、ムカつく」
めぐみちゃんが頬っぺをこれでもかと膨らませ若井さんを睨み付けた。
「おじいちゃんもはるおじさんもりゅうおじさんも、朝早くからおしごとをしているの、めぐみしってるよ」
「ゆうきも!」
「ありがとう二人とも」
強張っていた彼と龍成さんの表情が和らいだ。
「アイスやさんきたよ!」
子どもたちのお目当ては、リヤカーのアイス屋さんだった。
「一太、食べたい?」
「たべたいけど、はちやさんともりさきさんがまっているから。そらさん、いこう。カフェにかき氷もあるみたいだよ」
「かき氷?」
「ほら、あれだよ。あれ」
「あれと言われてもな」
「見たらわかるよ」
「そうか?」
「うん。つめたくて、ほっぺがおちるくらいおいしいよ」
一太が青空さんの手を握ると、そのままぐいぐいと引っ張っていった。
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