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番外編 かいとくん

ー中国では氷粉(ビンフェン)という名前のこれと同じようなのがある。ゼリーを固め、それとかき氷を合わせているからちゅるちゅる食感で、きなこや干したぶどうと山査子とトッピングして黒蜜をかけるんだ。他にもいろいろな種類があるー 「さすがは柚原。詳しいな」 ー中華街にある四川料理の店で住み込みでアルバイトをしていたことがあるから。青空、日本(故郷)のかき氷は旨いぞ。なにか思い出すといいなー 「何をだ?」 ーかき氷といったら、夏祭りの屋台だろう。両親に連れて行ってもらい、盆踊りや花火を見ながら食べたかも知れないだろう?家で親にかき氷を作ってもらいシロップをたっぷりかけて食べたかも知れないだろう?ー 「なるほどな」 青空さんは苺と練乳がたっぷりかかったかき氷をスプーンでそっと掬い上げると、口に運んだ。 「ふわふわで甘いぞ。そして、なんだこれ旨いぞ」 頬っぺに手をあてて歓声をあげた。 子どもたちはミニサイズのかき氷を注文し、青空さんと一緒に食べはじめた。 「呑気にかき氷を食べてて大丈夫なんですか?」 「イチ、腹が減っては戦ができぬ。まずは、甘いもので腹ごしらえだ。蜂谷、森崎、お前らも食べろ」 彼がみんなの分を注文した。

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