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番外編 かいとくん

「そらさん、そんなにいそいでたべたら、あたま、きーんってくるよ」 「だれもとらないから、ゆっくりたべたほうがいいよ」 「頭、キーン?」 一太と奏音くんに言われ、不思議そうに首を傾げる青空さん。 その直後、こめかみのあたりを押さえて苦悶の表情を浮かべた。 「これがキーンか、けっこう来るな」 「ママ、そらさんにあたたかいのみもの」 「りゅうパパ、そらさんをたすけてあげて」 熱すぎて飲めなくて。ふぅふぅしていたココアが入ったマグカップを青空さんの前に置いた。 「まだ熱いかも知れないから、火傷に気を付けて。ゆっくり飲んで」 「ありがとう」 龍成さんも飲もうとしていた生クリームが上に乗ったコーヒーを青空さんの前に置いた。 「ほら、飲め。かなり甘めのウィンナーコーヒーだ」 「ありがとう」 青空さんはココアと、コーヒーをあっという間に飲んでしまった。 「未知だけじゃなく、意外と龍成も猫舌だったりするから、助かったな」 彼がほっと一息ついた。 「オヤジ、ヘリコプターの音がする」 青空さんが椅子から急に立ち上がった。 「ハッタリじゃなくて、本気で毒物を撒こうとしているのか」 「それじゃプール入れないよ」 「こうていであそべなくなる」 子どもたちがそれぞれに不安を口にした。

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