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番外編 かいとくん

「こら、かいと!なにやってんだ。危ないから家に早く帰れ!」 キックボードに乗って友だちとカフェの前を通り過ぎたかいとくんを叱り付ける男性。 聞いたら、かいとくんの叔父さんで、すぐ隣に住んでいると教えてくれた。 「ちょっと待った!かいと、首からぶら下げているのはなんだ?そんなもの、持っていなかったよな?」 かいとくんはギクッとし立ち止まった。 「ぼ、ぼくのだよ、これ。き、昨日、父ちゃんにかってもらったんだよ」 「本当にそうか?」 叔父さんの追及にかいとくんはしどろもどろになり、ついにはアイス屋さんからもらったと白状した。 かいとくんが首からぶら下げていたのは子どもたちに大人気のキャラクターの財布だった。 「かなたくんのランドセルにあした、これをいれろってわたされた。ずっとほしかったから、だから、その……」 かいとくんがポケットから取り出したのはチャック付きのビニール袋に入った小さな白い包み。 「かいと、もしそれがヤバイやつだったらどうする?」 叔父さんの問い掛けにかいとくんは黙り込んでしまった。 「警察が校庭にいる。ヘリコプターがいなくなったらそれを渡しに行こう。かいと、友だちは大事にしないと駄目だろう」 男性はかいとくんを諭すように話し掛けた。

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