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番外編 かいとくん
「なぜ、縣一家のことを知っているんだ?」
龍成さんが男性に詰め寄った。
「か、かいとの母親から聞いたんです」
男性の顔は青ざめていた。
バラバラバラ………
ヘリコプターが小学校の上空を二回、旋回すると、何事もなかったように飛び去っていった。
「何かを撒いていったな。たいした量じゃないから、心配ないとは思うが……ん?この匂いは除草剤かも知れない。人体には影響はないと思うが、気分が悪くなるから、吸い込まないように気を付けたほうがいい」
男性が一太たちに、外に出るときは念のためハンカチで口を押さえたほうがいいとアドバイスをしてくれた。
「かいとの実の父親は椎根金融から金を借りて首が回らなくなり自殺したんです。母親はかいとを連れて逃げ回り、福島に流れ着いて、私の弟と再婚したんです」
「なに?椎根金融だと」
彼と龍成さんと蜂谷さんと森崎さん。四人の顔色が変わり、声が見事にハモった。
「遥琉さん、椎根金融ってもしかして……」
「九鬼総業のフロント企業の金融会社だ。分かりやすくいえば闇金だ」
「かなり評判が悪いことで有名だった」
彼と龍成さんが、企業舎弟の椎根は俺たちにとり因縁の相手だと教えてくれた。
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