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番外編 龍成さんの頼み事
「未知、頭を上げろ。兄貴と光希に怒られる。実はな、兄貴にも同じことを言われた。だから二学期から一緒に暮らせるよう遼兄が養子縁組の手続きをしているところだ。先に言うべきだったな」
「僕のほうこそ差し出がましいことをしてすみません」
「いちいち謝る必要はない。なんだかんだ言いながら遼兄が一番楽しみにしているみたいだ。奏音とやりたいことがやまのようにあるみたいだ。遼おじさんがいつ、遼パパになるか。時間は幾らでもある。焦る必要はない」
龍成さんがにこっと微笑み、奏音くんの寝顔を見つめた。
「あっ、そうだ……」
龍成さんが奏音くんとめぐみちゃんを起こさないように上着の内ポケットからスマホを取り出した。
「未知、使って悪いが今から言う番号に代わりに電話を掛けてくれないか?未知もよく知っているひとだ」
手を伸ばしスマホを受け取った。
「080のーー」
言われた通りに番号を押して電話を掛けた。
ー龍成か?珍しいなー
あっ、この声は、確か………。
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