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番外編 甘えん坊は卒業
奏音くんを布団の上に寝かせ、彼のところに急いで戻ろうとした龍成さんを橘さんが止めた。
「奏音くんが目を覚ました時、隣にあなたがいなかったら、不安になりパニックを起こします。泣きながらあなたの姿を探すでしょうね」
「それは分かるが……でもな橘……」
「遥琉と蜂谷さんと森崎さんがいます。心配無用です。もし奏音くんを泣かせたら家に入れないと光希さんからメールが来てましたよ。嘘だと思うならこれを見てください」
橘さんがスマホの画面を龍成さんに見せた。
「それだけは勘弁してくれ。分かった。添い寝をすればいいんだろう」
ギクッとする龍成さん。
効果覿面だった。
「えぇ。そのために布団を二つくっつけたんです。寝てもらわないと困ります」
龍成さんは上着を脱ぐと橘さんに渡し、そのままごろんと横になった。
規則正しく上下する奏音くんの胸をぽんぽんと優しく撫でる龍成さん。
朝が早かったせいか、ものの十分もかからずすとんと寝落ちしてしまった。
すると橘さんがスマホのカメラを二人に向けた。
「光希さんから二人の可愛い姿を撮影してくれと頼まれたんです。龍成さんは起きているときは顔が怖いけど、寝ているときは可愛いからと言われてまして、返答に困りました」
橘さんがくすっと苦笑いを浮かべた。
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