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番外編 根岸さんと伊澤さんが感じた犯罪の匂い
根岸さんと伊澤さんも実は小学校に行っていた。龍成さんを立てるため、あえて表には出ず、出入口からそっと奏音くんの様子を見守っていた。そのとき、根岸さんたちと同じように中には入らず、出入口から中の様子をじっと見つめる女性がいた。
「ヘリコプターの騒ぎがあって、気付いたときにはその女性はいなくなっていた。赤ん坊をおんぶしていたから、他の保護者に迷惑を掛けないように外に出ているのかと思ってさほど変にも思わなかったが」
そこで根岸さんは言葉を止めると、隣に座る伊澤さんをちらっと見た。
「女からは犯罪の匂いがした。目付きといい態度といい明らかに挙動不審だった。赤ん坊もいるし、妊娠もしているみたいだから、まさか違法薬物に手を出してはいないと思うが……」
伊澤さんが心配そうに眉を寄せた。
「女性はおそらく海翔の母親だろう。根岸、伊澤、まだ海翔は見付からないのか?」
「キックボードがいつも遊んでいる公園からついさっき見付かった」
「そうか」
彼がゆっくりと目を開けた。
「未知、ありがとう。おかげで気持ちよく寝れた。また、頼むな」
ゆっくりと布団の上に下ろしてくれた。
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