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番外編 りゅうパパみたくなりたい

橘さんと紫さんと三人して手分けして夕御飯の準備をしていたら、 「みちさんにお願いがあるんだけど……」 奏音くんがひょっこりと顔を出した。 「どうしたの奏音くん?」 「かいとくんね、おなか空いていると思うんだ。だから、おにぎりだったらすぐ食べれるかなって、そう思ったんだ。かいとくんにいやなことを言われたけど、かいとくんね、本当は僕と仲よくしたいって友だちに話していたっておじさんからきいたんだ」 「奏音くんは友だち想いで優しいね」 「僕ね、りゅうパパや一太くんパパみたくなりたいんだ」 「うん、きっとなれるよ」 奏音くんと同じ目の高さになるようにしゃがみこんで頭を撫でると笑顔が溢れた。 海翔くんが無事に見付かりますようにと願いを込めおにぎりをみっつ握った。 「しゃけとこんぶとツナマヨ。おいしそう!」 奏音くんはいっこずつ海苔で巻くと、ラップで包んでくれた。 「じぃじに持って行ってもらうんだ。ありがとうみちさん」 ぶんぶんと手を振りながら奏音くんが根岸さんたちがいる広間へと戻っていった。 「小学二年生といったら、まだまだ母親に甘えたい時期なのにね。不憫でならないわ」 紫さんがふと手を止め、さっきめぐみちゃんと優輝くんが冷蔵庫に貼っていった今日のミニ運動会の模様を撮影した写真をじっと見つめた。

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