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番外編 たまには夫婦水入らずで
「ほら、温めてやる。もっとこっちに来い。今さら恥ずかしがってどうするんだ」
クスクスと笑いながら逞しい腕が背中に回ってきて、そのままそっと抱き寄せられた。空いているもう片方の手で僕が寒くないように布団を肩まで掛けてくれた。
「体がすっかり冷えきっている。風邪をひいたらもともこうもないぞ。朝晩はまだ寒い。頼むからなるべく厚着をしてくれ」
「うん、分かった。ごめんね、心配を掛けてばかりで」
「そんなことないよ」
彼が嬉しそうに微笑んで、頭をぽんぽんと撫でてくれた。
「心配を掛けてもらわないとそれはそれで困る……」
なにやらぼそぼそと呟いた。
「何か言った?」
「いや、なんでもない。独り言だ」
頭を振ると、
「未知、愛してるよ。おやすみ」
額にかかる髪を指で左右に分けると、おでこに軽くちゅっとおやすみなさいのキスをしてくれた。
「足音がうるさくて寝れないよな。これならどうだ?」
彼の大きな手が耳をそっと塞いでくれた。
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