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番外編 二人のパパは無敵だもの

「ぎぁぁーー!!また出たぁーー!!」 覃さんがまたとんでもないところから姿を表したのかな?家の中から譲治さんの悲鳴が聞こえてきた。 「朝から元気ね。若いっていいわねぇ」 紫さんが口に手をあておほほと愉しげに笑った。 視線を感じちらっと上を見たら、天井の換気扇のところに覃さんがまるでこうもりのようにしがみついていたときは心臓が止まるくらいビックリした。 それだけじゃない。譲治さんがお風呂に入っていたとき、真っ裸で天井の点検口からすっと下りてきて、間髪いれずに浴槽にダイブして、譲治さんを驚かせて、泣かせたこともある。 まさに神出鬼没だ。油断も隙もない。譲治さんもどこから現れるか分からないから生きた心地がしないはず。 「愛っていいわね」 「でも、しつこいと逆に嫌われませんか?」 「好きな子に振り向いてもらいたいから、構ってもらいから、わざと困らせたり、悪戯をしたり、なんとか気を引こうとするんでしょう。菱沼組の殿方はみんなそうでしょう?覃も同じじゃないかしら?でも譲治は恋に関してはかなり奥手だから、アプローチも大変よね。覃に頑張ってエールを送って来ようかしら」 紫さんが鼻唄を口ずさみながら足取りも軽く家の中に戻っていった。

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