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番外編 幽霊の正体
「きみは確か海翔くんと一緒にいた子だよね?アイス屋さんからお金をもらったって教えてくれた子だよね?」
腰を低く屈め押入れから出て来たのは海翔くんではなく、友だちの子だった。
「海翔くんは?一緒じゃないの?」
「未知さん話しが見えないんだが、どういうことだ?」
「つまりこういうことだ」
青空さんが度会さんに昨日のことをかいつまんで説明してくれた。
「ぼくの名前はとおやま てっしょうです。一太くんのお父さんならきっとかいとくんを助けてくれる。そう思って……」
てっしょうくんがガタガタと震え出した。
「とおやま?もしかして庭師の遠山の孫か?前にめぐみたちと同じ小学校に孫がいると話していた。紫、遠山に連絡をしてくれ。大至急だ」
「分かりました」
紫さんがスマホを耳にあてた。
怯えてばかりいるてっしょうくん。よほど怖い思いをしたのだろう。何があったのか話してはくれなかった。
そこで急遽ままたんとぱぱたんが呼ばれた。
「子どもたちは紗智さんと七海さんがみてますから大丈夫です。てっしょうくん、お腹空いてませんか?」
「まずはごはんを食べようか?」
橘さんと柚原さんが畳の上に座り、てっしょうくんと同じ目の高さになり笑顔で話し掛けると、てっしょうくんは「うん」と小さく頷いた。二人はてっしょうくんを台所に連れて行ってくれた。
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