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番外編狼少年
「俺の娘も被害者だ。顔で男を選ぶからころっと騙されて……つくづく馬鹿な娘だよ。鉄将をひとりにさせやがって」
そう吐き捨てると縁側にゆっくりと腰を下ろした。
「かいとの父ちゃんは借りた金を返さない。悪者だって父さんが。母さんが死んだのもかいとの父ちゃんが金を返さなかったからだって、だから、僕………」
そこで言葉を止めると、手をぎゅっと握り締め、上唇を噛み締めた。
「遥琉さん、海翔くんのお父さんって確か……」
「甲崎に調べてもらったら九鬼総業が解散したあと椎根金融も倒産した。といっても偽装倒産だがな。椎根は遠山と名前を変えて投資ファンドの会社を経営しているみたいだ。それと、海翔の父親のことだが、遼が調べてくれた。容赦ない取り立てから逃れるため戸籍を売って別人として生きているみたいだ。未知、あとで遼のこと褒めてくれないか?龍がいないんだ。普通は光希と水入らず、ラブラブタイムだろ?それをぐっと我慢して、ほとんど寝ないで調べてくれたみたいだから」
「僕でいいの?」
「遼にとって未知は妹も同然。目に入れても痛くないくらい可愛い妹から褒められたら、飛び上がるくらい喜ぶ」
「うん、わかった」
大きく頷くと彼の表情が少しだけ和らいだ。
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