｢りょ、りょ」 緊張し過ぎて言葉がうまく出てこなかった。 ーりょ？りゅ？もしかして龍が人様に迷惑を掛けるようなことをしたのか？ー ｢いえ、違います。そうじゃなくて……」 りゅ、じゃなくてりょ、なのに。似たような名前だから間違えそうになる。 ーならどうした？ー ｢あ、あの、これからは、遼成さんのこと遼お兄ちゃんって呼んでもいいですか？嫌なら……」 ー嫌な訳がないだろう。頼む。もう一回呼んでくれ。よく聞こえなかったー ｢遼お兄ちゃん」 ー悪い、もう一回ー ｢遼お兄ちゃん」 ー……ー しばらく反応がなかったから心配していたら、 ー裕貴、蒼生、聞いてたか？未知が俺のことをお兄ちゃんって呼んでくれたぞー ーはい、はい、良かったなー ひろお兄ちゃんの声が聞こえてきた。 ー験担ぎに未知のTシャツを着ていて良かったなー 蒼生お兄ちゃんの声も聞こえてきた。 ｢もしかしてみんないるんですか？」 ー千里と心以外はなー ーゆうくんもー ｢優真くんもいたんだ。パパと一緒でいいね」 ーうん！ー 元気な声が返ってきた。