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番外編 お兄ちゃんって呼んでもいいですか?
「親子ほど年が離れていてもお兄ちゃんって呼んでもらえるんです。良かったですね。可愛い妹がもうひとり増えて。でれでれになるのは一向に構いませんが、くれぐれも光希さんと柚さんに焼きもちを妬かれない程度にしてくださいね」
ーいやみか。いちいち言われなくても分かってるよー
ムキになる遼成さん。普段はめちゃめちゃ怖い近寄りがたいオーラを漂わせているから、こんなふうにお茶目な遼成さん、初めてかも知れない。
遼成さんも龍成さんみたく、見た目と中身のギャップがあって、意外で、なんか可愛い。
光希さんが二人を好きになるのも頷ける。もし僕が光希さんだったら、どっちかひとりを選ぶなんて出来ない。
「未知さんもご存知の通り、柚さんは一度たりとも遼成さんのことをお兄さんと呼んだことはありません。信孝さんと龍成さんのことは兄さんと呼ぶのに。だからこそ嬉しくて仕方がないと思いますよ」
よっしゃーー!電話の向こう側でガッツポーズする遼成さんの声が漏れ聞こえてきた。
「またお兄ちゃんが増えたみたいだな」
太惺を片手で抱っこした鷲崎さんが姿を見せた。
「七海とここちゃんが鬼なんだ。ママとままたんの背中に隠れるか?」
「ばればれだと思いますけど」
「そうか?意外と見付からないかも知れないぞ」
橘さんに苦笑いされながらも鷲崎さんが、太惺を抱っこしたまま胡座をかいて座った。
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