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番外編 龍成さんなみの親バカ
「人に頼ることは決して恥ではない。受援力を高めたらどうだ?」
「受援力?」
聞き慣れない言葉に首を傾げていると、
「まわりの人に助けてと言える力、支援を上手に受ける力のことです。信孝さんも龍成さんも怒りたい気持ちをぐっと押さえて、相手の気持ちも考えた上で声を掛けたのだと思います」
「海翔の母親の心に届けばいいが……ん?」
鷲崎さんが鼻をクンクンさせた。
「なんか臭くないか?さっきオムツ交換したばかりなのに、変だな」
鷲崎さんが太惺を頭の位置まで持ち上げて、お尻の匂いを嗅いだ。すると、
ブッ、ブブブブ~~!ブッー!
おならの音が盛大に鳴り響いた。
目を点にし、キョトンとする太惺。自分のおならの音にびっくりしたみたいだった。
思わぬ洗礼を受けたにも関わらず鷲崎さんは上機嫌だった。
「覚さんとたいくん、めっけ。たいくんのおなら、すごい音だったね、廊下まで聞こえていたよ」
心望を抱っこした七海さんが姿を現した。
「なんだ、もう見付かったか」
鷲崎さんがちらっと太惺を見ると、お手手をグーに握り、顔を真っ赤にしてふんばっていた。
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