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番外編 慌てず急がず
「橘、俺はどうしたらいいんだ?」
おろおろし橘さんに助けをもとめる鷲崎さん。
「慌てず急がすですよ、鷲崎さん」
「覚さん、オムツを交換してくる。ここちゃんをお願い」
「オムツくらい俺にだって交換出来る」
「ほんとに?ゆるゆるうんちにびびっていた癖に」
「あ、あれは、そ、その……」
痛いところをつかれ、言葉に詰まる鷲崎さん。
七海さんはクスクスと笑いながら心望を鷲崎さんの膝の上にそっと下ろすと、代わりに太惺を抱き上げてくれた。
「七海さん、すっかりママの顔ですね」
「さっき、帰りたくないと駄々を捏ねられた。もう少しだけ二人のそばにいたいって泣かれた。俺もどう声を掛けていいか分からなかった。参った。橘、未知、俺、どうしたらいい?」
答えを求めるかのように見つめられた。
「鷲崎さんらしくありませんよ。悩んでも仕方ありません。たまには七海さんのわがままを聞いてあげたらどうですか?大所帯の鷲崎組の姐さんとして日々頑張っているんです。ご褒美をあげたらどうですか?」
「それもそうだな。未知、しばらく七海が厄介になるがいいか?」
「はい。大歓迎です」
「ありがとう」
鷲崎さんの表情がようやく和らいだ。
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