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番外編 思い出の花火

「一時はどうなるかとヒヤヒヤしたぞ。ガキの態度次第では殴りかかろうとしていたもんな。龍、見ないうちにまた成長したな」 「腐りきった根性を叩き直すつもりでいたが、ちゃんと奏音にごめんなさいが言えたし、今回は大目に見ることにした」 「海翔の祖父母の代理人として本部から迎えに来るって話しを小耳に挟んだ。嫌な予感がするのは俺だけか?」 「いや、俺もだ。可愛い妹に会いたい人ばかりだからな。じゃんけんは誰も裕貴さんには敵わない。だから平等にあみだくじをして決めるんじゃないか?」 「いい年した大人がなにやってんだか。でもな、遼たちにとっては真剣勝負だ。陽葵、誰が来るか楽しみにして待ってような」 彼が陽葵に話し掛けると、お手手と足をぱたぱたと動かしてにこっと微笑んだ。 「風向きが変わったな。煙がこっちに流れてくる。陽葵、煙たくなるから避難するぞ。未知、あとは頼んだ」 彼から陽葵を渡された。 「たいくんとここちゃんも避難だよ」 紗智さんと七海さんが二人を連れていってくれた。

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