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番外編 行ってきます!
「ハチは俺のだってだろう?言われなくても分かってるよ。頼むから睨まないでくれ。頭の角をしまってくれ」
「青空」蜂谷さんが青空さんに声を掛けると、ふて腐れながらも、
「分かった、しまう」
とぶっきらぼうに答えた。
暗くて何が書いてあるか分からないから鞠家さんたちが家の中に戻ってきた。
「しかしまぁ、汚い字だな。何が書いてあるか全然分からないな」
「漢字を書く練習でもしていたのか?まるで暗号文みたいだ」
「子どもたちに聞いたら何か手がかりが掴めるかもな」
「そうだな」
「じゃあ、俺は優輝たちに聞いてくる」
鞠家さんと蜂谷さんはスマホを掲げ写真を何枚か撮ると、同じように手袋を嵌めた彼に紙切れを渡し、青空さんと一緒に奥の部屋に向かった。鞠家さんは一太たちがいる部屋へ急いで向かった。
「ねぇ遥琉さん、海翔くんを誘拐した犯人は捕まったの?」
「鉄将の証言で監禁場所が分かって、すぐに警察が踏み込んだが、犯人は逃走したあとだった。未知、これを見て何か感じないか?くれぐれも指紋がつかないようにしろよ。海翔が書いたものじゃないなら、犯人の遺留品の可能性もあるから」
紙切れをじっと見ていた彼から、紙切れを見せられた。
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