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番外編 見えない圧力
「青空さんと亜優さんの日本語の練習ノートを見ているみたい。青、雨、一、火、これって一太が今、学校で習っている漢字だよね?何回も書いては消してを繰り返しているから汚く感じるのかも」
「未知もそう思ったか」
「うん。それに亜優さんみたく筆圧も強いよね?裏返すとぼこぼこしてる。もしかしてこれって……」
「日本人じゃないのが犯人グループに混ざっているということだろう。海翔はたまたま偶然落ちていたこの紙切れを拾い、犯人の手がかりを俺らに残すためわざと落としていった、そう考えるのが普通だろう」
「渡辺さんになんで渡さなかったの?」
「サツを信用することが出来ない何か理由があるからだろう。俺や龍に犯人を見付けてくれと託したのかもな」
「それって、まさか……」
鈍感な僕にも何となくだけど分かった。信じたくないけど、渡辺さんの部下の警察官のなかに若井さんみたいな人がいる、ということだ。
「海翔くん、大丈夫かな?」
「彼や鉄将を守るために、千里は幹部をわざわざ迎えに来させることにしたんだ。見えない圧力をサツにかけるためにな」
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