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番外編 人妻は原則お触り禁止

「鷲崎さんと七海さんが来ているって聞いて。直矢に挨拶に行こうって言っても、のらりくらり。会うのが照れ臭いみたいで。土産をいただいてお礼を言わないほうが失礼だと思って、それで……」 お尻を両手で隠し、キョロキョロとあたりを見回す遥さん。 覃さんは柚原さんに首根っこをむんずと掴まれ、そのままどこかに連れていかれた。とはいえいつなんどき戻ってくるか分からないから七海さんと遥さんはかなり警戒していた。 「礼はいらない。宇賀神組の槇島の手下どもが直矢のアパート近辺をうろついているって噂を耳にして心配していたんだ。良かった無事で」 「心配をかけてごめんなさい。僕は大丈夫。直矢や信孝さんがいてくれるから。それに、たまにヤスさんも様子を見に来てくれるから。直矢からヤバい変態がふたり居候しているって聞いてはいたんだけど……」 七海さんをちらっと見る遥さん。 「予想をはるかに超えていたからびっくりしたよね?」 「はい。だから未知さんが無事か、直矢と心配はしていたんです。良かったです。無事で………」 遥さんが胸に手をあてて深く息を吐いた。 「未知に悪戯をしたら、飼い主にお尻ペンペンされるからな。痛いのは誰だって嫌だろう?即刻、母国に強制送還される。そしたら愛しのジョーに二度と会えなくなる。やつにとっては死活問題だ」 鷲崎さんが愉しそうにくすりと笑った。

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