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番外編 人妻は原則お触り禁止!

渋川さんと真山さんのことだ。きっと。 鷲崎さんはまるで逃げるようにそそくさと病院に向かった。 「ねぇ陽葵。ママね、遼成さん、じゃなくて遼お兄ちゃんって呼べるかな?実際に会ったらガチガチに緊張して、またやらかしてしまいそうな気がするんだ」 陽葵に話し掛けていたら、 「未知、大丈夫か?」 龍成さんが心配そうに顔を出した。 「あの、龍成さん、誰が本部から来るか分かりますか?」 「口止めされているみたいで、聞いても誰も答えてくれない。遼兄貴か、裕貴さんじゃないか?実はなあみだくじでアタリを出したのは凪だ」 「え?凪くん?」 「自分もやりたいのに、パパがやらせてくれない。引っくり返ってギャン泣きだ。だから急遽凪と碧をまぜることになったらしい」 「凪くんくじ運がいい。お姉ちゃん一家でここに来るとなると、警備体制がよりいっそう厳重になりますよね?」 「そうだ。それこそえらい騒ぎになる。県警や公安が黙ってはいないだろうよ。未知、鷲崎さんを見なかったか?いるはずなんだが、どこにもいないんだ」 「槇島さんのお見舞いをしたら家に帰るって言ってました」 「そんな話しぜんぜん聞いてないぞ」 龍成さんが驚いたように声をあげた。

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