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番外編 おっ、ひさ~~!
「遥琉お兄ちゃんには用はないの。アタシが用があるのは未知よ。未知、めっけ。会いたかったわ~~!!」
艶やかな色留袖に身を包み、颯爽と現れたお姉ちゃんにぎゅっと抱き締められた。
「本当にお姉ちゃんなの?幻覚じゃないよね?」
この瞬間が現実なのか確信したくて何度も同じような質問を繰り返すと、
「そうよ。正真正銘、ホンモノよ」
くすりと笑うと、髪を撫でてくれた。
「ずっと、ずっと、会いたかった。お姉ちゃんとは画面越しでしか会えないから……実際に会いたいって我が儘を言ったら、遥琉さんに迷惑を掛けるから……ごめんなさい。何を言っているのか分からなくなっちゃった」
「未知の想い、ちゃんと届いてるわよ」
懐かしい匂いに包まれて安堵すると、涙が溢れてきた。
「ダメもとで甲ちゃんと大ちゃんに福島に行きたいって相談したの」
「大ちゃんって?」
「アタシのファンで、ここだけの話し。公安のデカよ」
「え?」
「しー-」
お姉ちゃんが人差し指を立てた。
「公安とバレると非常にマズいのよ。だから表向き公務員ってことになってるの。だから、このことはナイショにしてね」
「分かりました」
ただならぬ空気を感じて、お姉ちゃんの背中からそっと見ると、お祖父ちゃんと斉木先生のお父さんの斉木先生と甲崎さんの隣に目つきが鋭いやせ形の男が立っていた。
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