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番外編 最強夫婦

「どんなに緊迫した状況でもイチャイチャ出来るんだもの。ある意味二人は最強夫婦だよね。ご馳走さま」 「そういう七海だって人目はばからず舎弟の前でイチャついているだろうが」 「遥琉には負けるよ」 「マーとバーバが喧嘩したところを一度も見てない。いつも見つめ合って、挨拶代わりのキスをして、子どもたちの前ではいつも笑ってる。マーとバーバは俺の憧れ。俺も高行さんとそんな夫婦になりたい。たいくんとここちゃんも、マーとバーバみたいなひとを選ぶんだよ。顔で選んじゃ駄目。ろくなことないから。大事なのは心だよ。二人にはちょっと難しかったかな?」 納豆巻きをたくさん食べて、お腹いっぱいになり、うとうとと船を漕ぎはじめた太惺と心望。 「そろそろ布団に行こうか?」 彼が心望を、七海さんが太惺をそっと抱き上げた。 「遥琉さん、あ、あの………」 てっきり返してくれるものだと思ったけど、 「一緒に風呂に入るって約束してくれたら返してもいいぞ」 「え?そんな……意地悪しないで」 「意地悪はしていない。未知に構って欲しいだけだ」 しれっとして答えると、にやりと愉しそうに笑った。

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