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番外編 まさかまさかの……
「ほら、そこ!俺の前でイチャつくんじゃねぇ」
「危ないから箸を振り回すな。子どもたちが真似をする」
「は?てめえー」
「お前に喧嘩を売るほど俺はバカじゃない。それにしても未知の膝枕は最高だな」
「まだ話しは終わってないぞ。すっとぼけんな!それに自分が使った茶碗と皿くらいは片付けろ」
「こっちは長旅で疲れているんだ。休ませてくれたっていいだろう」
彼に何を言われてもまったく動じず、腕を組み目を閉じるとものの数秒で寝てしまったのはお兄ちゃんたちじゃなくて、地竜さんだった。
地竜さん曰く、ボスの居ぬ間に羽を伸ばし、傍若無人な振る舞いをする覃さんと宋さんに躾とお仕置きをするために急遽帰国したみたいだった。
「たく、しょうがねぇな」
ぶつぶつ言いながらも地竜さんが食べ終わった茶碗と皿をお盆に乗せて台所に運ぼうとしたら、
「オヤジ、俺らがやります」
若い衆が慌てて駆け寄ってきた。
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