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番外編 地竜さん災難に見舞われる
「うわぁぁーー!な、な、な!」
地竜さんの驚いた声が家中に響いた。
「どうやら起きたみたいですね」
ずずっと橘さんがお茶を啜った。
「那和、呼ばれてるよ」
「呼ばれてません」
那和さんがシフォンケーキを頬張った。
「な、な、な!」
「ほら、やっぱり呼ばれてるよ」
「だから僕じゃないって。びっくりし過ぎてもしかして腰を抜かした?」
「それありかも。それか、マーだと思ってあちこち触りまくって宋にビンタをされたとか」
「それ、十分にあり得る」
「ん?亜優なに?地竜も変態だから、どっちもどっちじゃないか、だって」
「それ、言えてる」
紗智さんと那和さんと亜優さんが目を合わせるなり、クスクスと笑い出した。
「く、来るな!変態!」
「来るなと言われましてもね。久し振りに飼い主に会ったのですから、普通は嬉しくて飛び付きますよね?」
「はい、そうですね」
こんな状況でも橘さんは怖いくらい落ち着いていた。
「暑苦しいから離れろ!」
地竜さん大丈夫かな?心配で様子を見に行こうとしたら、
「一太くんたちが地竜さんを助けに行きますから、ほっといて大丈夫ですよ。未知さん、食べれるときに食べておかないと」
橘さんに言われ、シフォンケーキを一口、口に運んだ。
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