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番外編 地竜さん、災難に見舞われる

「あ、ママ。ディノンさんを止めないと」 「どうしたの一太?」 「たんさんが洗面所にかくれているって言ってたんだ。すっかりわすれてた」 一太と奏音くんが慌ててあとを追い掛けようとしたら、 「再会の邪魔をしないようがいい」 宋さんが二人の前にすっと立ち、とうせんぼうをした。 「覃が一番ボスに会いたがっていたんだ。二人きりにしてやろう」 「ディノンさん、モテモテだね」 「あぁ、仲間はみんなボスが大好きだ。ボスが大好きな一太のママは、みんなもっと大好きだ」 「じゃあママもモテモテだ」 「そうだな。一太のママの膝の上に誰が寝るかが、一番競争率が高い」 一太と宋さんがそんな会話を交わしていたら、 「なんでこんな狭いところに隠れているんだよ!うわぁーー来るな!」 地竜さんの驚いた声が聞こえてきた。 「ドッキリ大成功だ」 「やったね!」 一太と奏音くんとがハイタッチし、大喜びしていた。 「お前ら二人して何をしているんだ」 「探す手間を省いてやったんだ。ありがたく思え」 「覃、下ろせ」 「聞こえない」 地竜さんがなぜか覃さんにお姫様抱っこされて戻ってきた。

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