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番外編 はるお兄ちゃん、ゆうお兄ちゃんがアタシをいじめる~~!

みんな茶碗と箸を持って、お姉ちゃんのまわりに集合した。 盆とお正月がいっぺんに来たように賑やかだ。 「モテモテで困っちゃう」 お姉ちゃんがいるだけで家の中が明るくなる。 「喋っている暇があるなら、さっさと食べて下さい。せっかく作った料理が冷めます。海翔くんを早く迎えにいってあげてください。どれだけ不安な気持ちで過ごしているか」 「分かってるわよ。相変わらず塩対応よね?たまにしか会えないんだもの。可愛い妹に優しくしてもバチは当たらないと思うんだけどな」 「誰か可愛い妹ですか」 「遥琉お兄ちゃん、ゆうお兄ちゃんがアタシをいじめる」 お姉ちゃんが彼に向かって助けてよ!と言わんばかりに手を振ると、 「次にいつ会えるか分からないんだ。今のうちゆうお兄ちゃんにいっぱい構ってもらえ。俺は助けんぞ」 「えぇ~~ちょっとそれ酷くない?」 お姉ちゃんがむっとしていた。 「今まで呼び捨てだったのに……」 「何か言った?」 「いえ、なんでもありません」 「もしかして焼きもちを妬いてる?」 「そんな訳ないでしょう」 「ダーリンが卯月蒼生って堂々と名前を言えるようになったでしょう。だから、アタシもダーリンも、これからはお兄ちゃんって呼ぶことにしたの。お兄ちゃんが二人もいるアタシは果報者です」

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