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番外編 お姉ちゃん、一太にキュンキュンする

すばやく瞬きをした橘さん。 「アタシ、なんか変なことを言った?」 「見ないうちに会長らしくなったと……そう思っただけです」 「もしかして褒めてる?」 「褒めていません。誤解しないで下さい」 二人がそんな会話を交わしていたら、 「たいくんにここちゃん、食べ物で遊んじゃだめだよ。おなかがいっぱいなら、ちゃんと手を合わせて、ごちそうさまでしたを言わないと。それと、ママとままたんに今日もおいしいごはんを作ってくれてありがとうって言おうね」 ご飯で遊びはじめた太惺と心望に真っ先に気付いた一太が二人に声を掛けた。 「そんなにぐじゃぐじゃあそびをしたいなら、お兄ちゃんとねんどあそびをしよう」 「一太、俺が面倒をみる」 「もう食べ終わるし」 「さちさんとななみさんはちゃんとご飯を食べてください。たいくんとここちゃんのめんどうはぼくがみます」 一太がぴんと背筋を伸ばし手を合わせると、太惺と心望も真似をしてお手手を合わせた。 「ごちそうさまでした。ママ、ままたんありがとう」 「とう」 「あー-」 なんとも愛らしく、微笑ましい光景に場が和んだ。 「やだ、もう、心臓が持たないかもーー!一太、カッコいいーー!」 お姉ちゃんが右手を挙げてブンブン振りながら黄色い悲鳴をあげると、一太は照れて真っ赤になった。

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