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番外編 奈梛ちゃんの笑顔

「横向きに寝て、腰を丸めた姿勢をとると少しは楽だと思うんだ。二、三日は安静にして、それでも痛いときは病院さいきっせ」 「分かった」 「それと未知さんに構ってもらうのは治ってからにしっせ。あと」 「まだあるのか?」 「ぎっくり腰を甘く見っさんなよ。まだ若いからって無理すっとあとでくっからな」 「分かった」 地竜さんが斉木先生に言われた通り横向きになると、腰を丸めた。 「地竜が好きなのは分かるが、腰が良くなるまでお触り厳禁だ」 覃さんと宋さんは彼斉木先生にみっちり油を絞られてしゅんとしていた。 「あー!」 「あら、奈梛じゃないの。元気にしてた?」 「うん」 お姉ちゃんが来ていることを鞠家さんから聞いた鳥飼さんとフーさん。奈梛ちゃんを連れてきてくれた。 奈梛ちゃんはお姉ちゃんに抱っこしてもらうと、ニコニコの笑顔を見せた。 「本能のままに泣いたり怒ったり、時にはひっくり返ったり。奈梛はそれがなかったからね。良かったわね。感情の表現が豊かになって。おしゃべりもとっても上手よ。二人のパパにうんと愛されているのがよく分かるわ。鳥飼、構ってちゃんのフーがいて大変だと思うけど、奈梛のことこれからもお願いね」 「任せてくれ。この命に代えても奈梛は俺とフーで守る。立派に育ててみせる」 「それを聞いて安心したわ」 お姉ちゃんが奈梛ちゃんに微笑みかけると、にっこりと微笑んでくれた。愛くるしいその姿にお姉ちゃんの顔も緩みっぱなしになった。

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