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番外編 ボスが好きで好きでたまらないの宋さん
「俺は未知にあーんして食べさせてもらいたいんだ。ぜってぇー嫌だ」
罪滅ぼしに覃さんが地竜さんに夕御飯を食べさせようとしたけど断固拒否されてしまった。
「未知は陽葵のご飯タイムだ。我が儘を言わない」
「ひまちゃんのご飯タイムが終わるまで。明日まで待つからいい。別に一食抜いても死にやしない」
「は?正気か?たく、ボスの頑固さは誰に似たんだ」
覃さんもほとほと困り果てて、お手上げ状態だった。
「国に帰る前にジョーと二人きりで過ごす時間を覃に与えてほしい。次にいつ帰って来れるか分からない。もしかしたら死出の旅になるかも知れないからと卯月に頼んだ」
「俺はいいよ。バカは死なない。よく言うだろう。俺のことより宋とワカをくっつけるほうを優先させてくれ」
「あのな覃……アタタタ……」
横向きから仰向けになる地竜さん。腰に激痛が走り、顔を歪めた。
「無理に動くな。安静にしてろって斉木に言われなかったか?黒竜との決戦は近いんだろう?ボスには早く復帰してもらわないと困る」
「それは俺を心配しての発言か、それとも……」
「心配は一割。不死身のボスを心配するだけ無駄だ。三割はボスがいなくなったら未知と会えなくなるだろう?楽しみがなくなるからボスには生きててもらわないと困る。残りは………」
覃さんが地竜さんの体を気遣うようにゆっくりと覆い被さった。
「再会のキスも、褒美のキスもまだだ」
クイと頤を掬いあげると顔をすれすれまで近付けた。
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