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番外編 変態は一日でならず

「未知さん、あとは私に任せてください。子どもたちはお風呂に入っていますし、今のうち地竜さんにご飯を食べさせてあげてください。覃さんでは嫌だと、子どもでもあるまいし駄々を捏ねているみたいです」 「分かりました」 陽葵がやっと寝てくれた。下に寝せるとギャン泣きで。 いっぱい泣いたから汗でびっしょりだ。 橘さんが抱っこしてくれて。陽葵を起こさないように額の汗をガーゼでそっと拭いた。 「橘さんお願いします」 部屋を出ようとしたら、 「あ、そうだ。人目もはばからず、覃さんは尻尾をぶんぶんと振り回して飼い主とイチャついているみたいです。初心な未知さんにはちょっと刺激が強いかも知れません。無理だと判断した時点ですぐに逃げてきて下さいね」 意味がよく分からなくて首を傾げると、橘さんにくすくすと笑われてしまった。 「地竜さん開けても大丈夫?」 戸を開ける前に声を掛けたけど、応答がなかった。 覃さんとイチャイチャ中だって言ってたし。邪魔をすると悪いし。でも、ご飯はちゃんと食べないと早く元気にならないし。どうしようか悩んだ末、こうなったら当たって砕けろだ。意を決し、戸を開けた。 「あ……未知……」 上半身裸になり横になっていた地竜さんと目が合った。隣にはやはり上半身裸の覃さんが寝転がっていた。 「ご、ごめんなさい」 顔を真っ赤にし、慌てて戸を閉めた。

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