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番外編 たいくんに寝込みを襲われた地竜さん

「未知、誤解だ。これには理由があるんだ。風呂から逃げてきたたいくんに寝込みを襲われて、水鉄砲の一撃を食らったんだ」 「逃げ足が早くてな。なかなか捕まえられなくてな。やっと捕まえて柚原に返したところだ。お陰で疲れた」 「着替えを持ってきます」 「ありがとう。動けないから助かるよ」 「俺は暑いからいらない」 「覃、未知は恥ずかしがり屋なんだ。頼むから何か着てくれ」 「ボスが言うなら仕方ないな」 急いで部屋に戻った。 「そうですか。最強の男も小さなヒーローの前では形無しですね。布団も敷き直さないといけませんね」 「遥琉さんと龍成さんに手伝ってもらいます」 「じゃあ、俺が着替えを持っていくよ」 バスローブ姿で那和さんが顔を出した。 「襲って下さいって言わんばかりの格好で。そんなに死にたいの?」 紗智さんが七海さんをボディーガードにして、着替えを先に持って行ってくれた。 「あの、遥琉さん」 彼と龍成さんは、広間で酒盛りをしているお祖父ちゃんと渡会さんたち幹部の話し相手をしていた。 「どうした未知?」 「太惺が風呂から脱走して、水鉄砲で地竜さんたちを襲ったみたいで」 「俺の息子もなかなかやるな。たいしたもんだ」 「感心している場合じゃないよ。地竜さんご飯まだなの。布団も冷たいから早く交換してあげないと風邪をひいたらそれこそ大変だから」 「分かったよ。龍、地竜を助けに行くぞ」 「おぅ」 彼と龍成さんがすぐに地竜さんのところに向かった。 僕もあとに続いて行こうとしたら、 「ただいま~~!!」 お姉ちゃんの元気な声が聞こえてきて。心臓が止まるんじゃないか。そのくらいびっくりした。

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