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番外編 お祖父ちゃんはみんなの憧れの的

「茨木さん、俺たちにも稽古をつけて下さい」 「こんなチャンスもう二度とないので是非お願いします」 甲崎さんと大山さんが慌てて起きてきた。 「転んで、地竜みたくぎっくり腰になっても知らねぇぞ」 お祖父ちゃんがゲラゲラと笑いながら竹刀をまず大山さんに渡した。 「公安がヤクザと関わっていて大丈夫なのか?火のない所に煙は立たぬとよく言うだろう?」 「千ちゃんと運命的な出会いをしてしまったからな。次の配置転換では間違いなく公安から外されるだろう。でも後悔はしていない。千ちゃんが俺の人生そのものだから」 「もしかしてお前まで刑事を辞めてヤクザになるとか言うんじゃねぇだろうな」 「何で分かったんだ。伝説のヤクザ、播本は何でもお見通しだな」 大山さんがニヤリと笑うと竹刀を握り中段の構えになった。お祖父ちゃんは素手で竹刀を受け止める気だ。 「俺が千ちゃんを守らないで誰が守るんだ。人生は一度きりだ。俺は千ちゃんにすべてを捧げる。男に二言はない」 大山さんが踏み込み竹刀を振り下ろすと、お祖父ちゃんは両手でそれを見事に受け止めた。

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