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番外編 お姉ちゃんを巡り海翔くんと鉄将くん喧嘩をはじめる

「どうした未知、そわそわして。何か気になることでもあるのか?それとも具合が悪くて俺の帰りを待っていたとか?」 送迎から帰ってきた彼に声を掛けられた。 「具合は悪くないの。心配してくれてありがとう。海翔くんと鉄将くん、喧嘩しないで仲良くしているかなって思って。龍成さんから聞いたと思うけど、お姉ちゃんの取り合いをして喧嘩して、大変だったんだ」 「千里を真ん中に仲良く座っているんじゃないのか?」 「それがね、警備の都合上、通路側は甲崎さんか大山さんが座るみたいなの」 「俺らにしてみたらたいしたことじゃないんだが。なるほどな」 彼がくすりと笑った。 「遥琉、自分だってそうじゃありませんか?人のことを言える立場ですか?」 橘さんに耳の痛いことをズバリと言われ、ギクッとする彼。 「海翔くんが先に降りるみたいなので、そのあたりはうまくやっていると思いますよ。千里は罪な女です。いたいけな七歳児二人を虜にしてしまうんですから。まったく、困ったものです」 結婚してて子どもがいるって聞いて一瞬固まった二人だったけど、大きくなったら結婚してくださいってお姉ちゃんにプロポーズした。甲崎さんと大山さんは恋敵(ライバル)が多いければ多いほうが俄然燃えると意気込んでいた。

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