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番外編 愛するひとを守るために。地竜さんの意外な過去

「昔、傭兵として一年間とある国の外人部隊に雇われていたんだ」 「初耳だな」 「俺は医者だ。どう頑張っても李には勝てない。愛する人たちを守るためにはもっと強くならなきゃならない。だから外人部隊に入隊した。それがどういう訳かマフィアのボスをしている」 地竜さんが腰に手をあてながらゆっくりと体を起こした。 「譲治も石頭だが、俺のほうが石頭だろう?脳しんとうを起こしてないか?大丈夫か?」 自分も腰が痛いのに、譲治さんのことを気遣う地竜さん。 「鍋山だっけ?あまり譲治のことを頭ごなしにガミガミ怒るなよ。ちゃんと掃除も出来るし、何より大きい声で挨拶が出来る。いいところを見付けてやってうんと褒めてやれ。譲治はいまよりもっと伸びる。それと頭を上げろ」 床に額を擦り付け平蜘蛛のように謝り続ける鍋山さんに優しく声を掛けた。 「雲行きが怪しいな。何事もなければいいが………」 空を見上げると不安を口にした。 昨日の今日だ。何があるか分からないからな 彼も不安そうに空を見上げた。

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