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番外編 緊急事態

「連中は遼成のことを親の七光り、ていたらく、能無しの昼行灯と揶揄し馬鹿にしている。楮山が柚原を馬鹿にして卑下していたようにな。それで楮山は手痛いしっぺ返しを食らったのにな。懲りない連中だ。学習能力がないのか」 地竜さんが膝に顔をすりすりしてきた。 「地竜さん、くすぐったい」 「くすぐってないだろう」 「こら、そこ!亭主の前でいちゃつくな」 彼が不機嫌な皺を眉間に作った。 「髭を剃っていないからチクチクするんですよ。私が剃ってあげましょう」 橘さんのその一言に地竜さんの顔が真っ青になった。 食いごと以外で橘に刃物を持たせてはいけない。おめさんが一番おっかねぇんだ。度会が言ってたな……ぶつぶつと一人言を言ったのち、 「ほら、あれだ。柚原に焼きもちを妬かれるだろう?だから大丈夫だ。未知に剃ってもらうから」 「遠慮しなくてもいいのに」 「遠慮してない」 地竜さんが腰に両手を回すとぎゅっとしがみついていた。

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