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番外編 一抹の不安

ーどうしたの未知。浮かない顔をして?何か気がかりなことでもあるの?ー 「子どもたち、みんな好奇心旺盛でしょう?太惺と心望なんか何でも口にいれてしまうし。例えばの話しなんだけど、その薬物から甘い匂いがしていたら?海翔くん、薬物だと知らずに口に入れていたら?そう思うとゾッとして……」 身震いすると、 「未知、大丈夫か?」 彼がすぐに気付いてくれて。着ていたジャケットを脱いで肩に掛けてくれた。 「寒気がするのか?」 おでこに彼のおでこがくっついてきた。 不意打ちをくらい心臓がドキドキした。 遥琉さんそれ反則だから! 「熱はないみたいだが、なんで顔が赤いんだ?」 好きな人にあんなことをされたら一気に熱が上がっちゃうよ。 不思議そうに首をかしげのち、ちらっと地竜さんを見た。 「陽葵が寝ているときしか体を休めないんだ。頼むから未知を休ませてくれないか?未知に甘えたいその気持ち、すごく分かる。俺も未知に甘えたいがこれでも我慢しているんだ」 「ごつごつしててもいいなら、どうぞ」 七海さんが隣に座ってきた。 「鷲崎に殺される」 「覚さんはそんなことはしない」 地竜さんはしばらく考えたのち、よっこらしょと言いながら、七海さんの膝の上に頭を移動させた。

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