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番外編 お姉ちゃん大丈夫かな?

ー甲ちゃんとチカのダーリンが喧嘩して。本当に大変だったのよー 「何回メールしても返信はないし、何度電話しても留守番電話になっているし。お姉ちゃんに何かあったんじゃないか。心配で心配で。気が変になりそうだったんです。良かった無事で………」 お姉ちゃんの元気そうな声を聞いたとたん、涙が堰を切ったかのように次から次に溢れた。 「千里!」 橘さんが声を荒げた。 ー泣かせるつもりはなかったの。お兄ちゃん許してー 「今回ばかりは許しません」 ーいいもん。もうひとりのお兄ちゃんに許してもらうから。ね、遥琉お兄ちゃんー ー俺を巻き込むなー 彼の声が聞こえてきたから心臓が止まるんじゃないか、そのくらいびっくりした。 「千里、これはどういうことですか?東京に帰ったはずではなかったのですか?ちゃんと説明してください」 橘さんの眉間にどんどん皺が寄っていった。 ー鷲崎組の事務所でチカのダーリンが待っていたから海翔くんを引き渡しの。甲ちゃんとしてはまずは祖父母に会わせるのが先で事情聴取はあと。お互いの意見が合わなくて。それで喧嘩をはじめたの。新幹線で東京に戻るつもりでいたんだけど、気付いたらK駅のプラットホームに下りていたの。それで遥琉お兄ちゃんに電話を掛けたの。アタシ、悪くないもん。体が勝手に未知のところに向かっていたんだもんー 橘さんがやれやれとため息をつきながら額に手をあてた。

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