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番外編 チカちゃんと大山さん

びしっと彼の背中を叩くお姉ちゃん。お姉ちゃん的には軽く叩いたつもりが、彼にとっては相当痛かったみたいで悶絶していた。そうこうしているうちにチカちゃんが到着した。 「ほ……」 大山さんと玄関前で鉢合わせしたチカちゃん。開口一番、しまったとバツが悪そうな表情を浮かべた。 「ほ?」 蜂谷さんに怪訝そうに聞き返され、 「な、何でもない」 慌てて頭を振った。 「大山だ」 大山さんも眉間に皺を寄せた。 「そうだったごめんなさい」 大山さんの大山という名字は偽名だ。 捜査に支障が出るからと本当の名前は秘密だ。 「なんで大山がここにいるの?」 「そりゃあ千ちゃんのボディーガードに決まってるだろう。変に誤解されても困るから先に言っとくがこれも捜査の一環だ。公私混同していないからな」 「分かってるって。そんなにムキにならなくてもいいじゃん」 「ムキになってない」 「ヘェ~~どうだか」 「五月蝿いな。俺は忙しいんだ」 チカちゃんに勘ぐられるのが嫌なのか、大山さんがそそくさと逃げ出した。

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