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番外編 心がぽかぽかとあたたかくなる
「チカちゃんおかえりなさい!」
険悪なムードを一瞬で吹き飛ばしたのは子どもたちの笑顔だった。
「ただいま。また帰ってきちゃった」
「ここはチカちゃんのおうちだもの。えんりょはだめだってパパ言ってたでしょう?」
「みんなチカちゃんに会えてうれしいって」
「一太も奏音もありがとうね」
チカちゃんに投げキッスをされ、二人は一瞬だけフリーズし、顔を真っ赤にしていた。
「ママも千ちゃんもチカちゃんもごはんを食べて。ディノンさん、たいくんのめんどうをみるよ」
「一太ありがとう。その気持ちだけありがたくもらっておくよ。たいくん気持ちよく熟睡しているし起こすと可哀想じゃないか?」
「今起こさないと早くねないよ。たいくんも夜行性だからずーーっと起きてるよ。それだとママが大変だから。一太にまかせて。大丈夫だから」
「そうか、一太がそう言うならたいくんを頼むよ」
「うん。分かった。たいくん、お兄ちゃんっておいで」
一太が両手を伸ばし、太惺を起こさないようにそっと抱き上げてくれた。
「ディノンさんのめんどうは私たちがみるから」
遥香とめぐみちゃんと幸ちゃんが地竜さんの隣にちょっこんと座った。
「いいな、地竜。両手に花で。まさにハーレムだな」
「嫌味か?」
「嫌味な訳ないだろう」
彼の後ろから奈梛ちゃんがちょっこりと姿を現した。
「奈梛、遊びに来たのか」
「うん」にこにこの笑顔で頷くと大好きな遥香のところに真っ直ぐ向かい膝の上に腰を下ろした。
「なやちゃんもディノンさんのめんどうをみるって。未知さん、あとは私に任せて」
「ありがとうめぐみちゃん」
なんとも頼もしい子どもたちに、心がほかほかと温かくなった。
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