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番外編 遥琉さん、妹二人から熱烈歓迎される
「遥琉、メイク落としが洗面所にあります。顔を洗ってきたらどうですか?」
「分かったよ」
地竜さんが「よし」と小さくガッツポーズをした。
「未知さんと二人きりになれるとでも思いましたか。残念ながら………」
「未知は予約済みよ」
「そうよ地竜。残念でした。早い者勝ちよ」
お揃いのパジャマを着て、お姉ちゃんとチカちゃんが颯爽と現れた。
「俺だってたまにしか未知に会えないんだぞ」
「チカ、なんか聞こえた?」
「ううん、なにも聞こえなかったわよ」
「嘘つけ」
「そのくらいで止めとけ。橘三姉妹に口で敵う者はいない」
「遥琉、今何て言いました?」
彼が発した何気ない一言に橘さんが間髪入れずに噛み付いた。
「間違ってはいないはずだ」
「それを言うなら」
「さっきも言われただろう。角をしまえってな。つんつんするな。可愛くないぞ」
彼が笑いながら橘さんの頭をぽんぽんと撫でた。
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