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番外編 油断大敵

「油断も隙もないとはまさにこのことですね。未知さん、洗濯機から離れるときはスタートボタンを押してからにしたほうがいいですよ」 「はい、そうします」 太惺がお茶をこぼしたと遥香に呼ばれて慌てて台所へ向かったんだっけ。自分ではスタートボタンを押したつもりが実際は押していなくて、閉めたはずの蓋がなぜか空いてて変だなとは思ったけど、洗濯機から離れたのはわずか五分ほど。まさかその間に下着を持っていかれたとは。 「俺は地竜に協力してないぞ」 顔をタオルで拭きながら彼が戻ってきた。 「誰も遥琉が協力者だとは言ってませんよ。地竜さん、何も知らない譲治さんを使うなどもってのほかです。それと未知さんの下着を握り締めたまま寝たふりをしないで下さい。聞いてます?」 「なんも聞こえません」 地竜さんは目蓋を固く閉じたまま首を横に振った。 「どうした?何かあったのか?」 奏音くんと二人でお風呂に入っていた龍成さんがひょっこりと顔を出した。 「なんでもない。地竜がね、一人寝は寂しいから添い寝して欲しいんだって」 「そんなこと一言も言ってないだろう………あ、ヤバい」 地竜さんがはっとし口を手で覆った。

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