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番外編 海翔くん、無事かな……

「海翔くん……無事かな……」 洗濯物を畳む手をふと止め、茜色に染まりだした空を見上げながらぽつんと呟くと、 「甲崎と国井が手分けして探しているから心配するな」 「でも………」 「地竜、十分経過した。交代だ」 彼が部屋に入ってきた。 地竜さんはいつものように寝たフリをしようとしたけど………、 「マイハニー、ボス。無事に帰って来てやったぞ」 覃さんがふらりと顔を出して、 「俺が膝枕をしてやる」 僕のとなりに座ると、にっこりと満面の笑みを浮かべて膝をぽんぽんと叩いた。 「すごく嫌な予感がするのは気のせいか?」 「気のせいだ」 「じゃあ聞くが、寒気がするのも気のせいか?」 「ボスが大好きな部下が無事に帰ってきたんだ。頑張ったご褒美に、たまには甘えさせてやったらどうだ」 「卯月、たまにはいいことを言うな。惚れてしまうじゃないか」 「お前には譲治がいるだろう。惚れるなら譲治にしてくれ」 彼が苦笑いを浮かべた。

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